- LINEポケットマネーの返済遅れが引き起こす滞納リスクについて
- LINEポケットマネーが利用停止になる原因について
- もし返済が遅れてしまった場合の支払い方法について
LINEポケットマネーはLINEユーザーにとってクレジットカードに変わる身近な決済手段として利用されていますが、返済遅れが引き起こすリスクについてご存知ですか?
LINEポケットマネーの返済遅れによるトラブルは、利用停止や遅延損害金の発生だけではありません。
「LINEだから大丈夫」と思って滞納を甘く見てると大変です。LINEポケットマネーは最大貸付金利18.0%の借金です。
本ページでは「LINEポケットマネーの返済遅れが引き落とす滞納リスク」について解説します。
LINEポケットマネーの返済遅れ|滞納リスクについて
LINEポケットマネーの返済日は、毎月16日もしくは26日のいずれかをご自身で設定できます。
※返済日が土日・祝日の場合は翌営業日に繰り越しされます。
なお、マイペースプランを申込みしている場合は、新規借入の6ヵ月後から返済が始まります。ただし、随時返済も可能です。
以下で詳しく解説します。
- LINEポケットマネーの利用停止
- 遅延損害金が発生
- 信用情報に滞納履歴が記録
- ブラックリストに登録
- 債権回収業者に債権譲渡
- 裁判/財産差押え
LINEポケットマネーの利用停止
LINEポケットマネーの支払期日が過ぎてしまった場合、翌日(17日または27日)以降、LINEポケットマネーのご利用が一時的に制限されます。
ただし、遅延額に遅延損害金を加えた金額のお支払いが完了すれば、制限は解除され、通常通りのご利用が可能になります。
ただし、利用停止の措置後、LINEポケットマネーの利用限度額が大幅に減額される可能性があるのでご注意ください。
遅延損害金が発生
LINEポケットマネーの貸付金利は年利3.0%~18.0%でしたね。ただし、もし返済が遅れた場合、滞納日数に応じて年率20.0%の遅延損害金が発生します。
たとえば、LINEポケットマネーの利用残高10万円の返済を30日間滞納した場合に発生する遅延損害金は1,644円です。
いくつかのケースにおいて追加請求される遅延損害金をシミュレーションしていますのでご参照ください。
滞納日数 | 滞納中のLINEポケットマネー利用残高 | ||||
10万円 | 20万円 | 30万円 | 40万円 | 50万円 | |
5日 | 274円 | 548円 | 822円 | 1,096円 | 1,370円 |
10日 | 548円 | 1,096円 | 1,644円 | 2,192円 | 2,740円 |
20日 | 1,096円 | 2,192円 | 3,288円 | 4,384円 | 5,479円 |
30日 | 1,644円 | 3,288円 | 4,932円 | 6,575円 | 8,219円 |
60日 | 3,288円 | 6,575円 | 9,863円 | 13,151円 | 16,438円 |
※スマホでご覧の方は左右にスクロールできます。
LINEポケットマネーは借金です。滞納を甘く見てはいけません。
信用情報に滞納履歴が記録
信用情報とは、信用情報機関が管理している私たち個人の信用/財務情報です。例えば、以下の個人情報が信用情報に含まれます。
信用情報の内容
- 個人を特定する情報:氏名、住所、電話番号、勤務先など
- クレジット履歴:過去のクレジットカードやローンの契約内容、借入/返済情報や遅延を含む支払い情報
- 雇用履歴/収入情報:職歴や現在の収入などの返済能力に関する情報
- その他の公的記録:過去の破産や訴訟に巻き込まれた記録など
LINEポケットマネーを運営するLINE Credit株式会社は、
の2つの信用情報機関に加盟しており、会員情報を同機関に報告しています。
私たちの信用情報は、信用情報機関に管理するその他の業者(クレジットカード会社や銀行などの金融機関)と共有されます。
要するに、LINEポケットマネーの返済が遅れた履歴は、他社金融機関のサービスの入会/借入審査にマイナスの影響をおよぼす可能性があるのでお気を付けください。
ブラックリストに登録
ブラックリストとは、私たちの信用情報に異動というマイナス情報が記録された状態のことを指します。これは滞納よりも重いペナルティです。
例えば、信用情報機関CICでは、以下の事由が発生した場合に信用情報に異動を記録する、つまりブラックリストに登録することを定めています。
ブラックリスト登録の条件
(信用情報に異動が記録される条件)
- 返済日より61日以上または3ヵ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの
- 返済ができなくなり保証契約における保証履行が行われたもの
- 裁判所が破産を宣告したもの(破産手続開始の決定がされたもの)
引用:信用情報開示報告書
上記の引用分を見てわかる通り、2ヵ月以上の滞納は破産宣告に匹敵するほど重大な金融事故として扱われます。滞納を甘く見てはいけません。
なお、ブラックリスト登録の情報は5年間保管されます。この期間中、日常生活にさまざまな影響が生じる可能性があります。
【注記】ブラックリストに登録されるとどうなる!?
ブラックリスト登録期間中は、信用情報の審査が必要なクレジット・金融サービスを利用できなくなります。具体的には以下のサービスが利用できなくなるでしょう。
- クレジットカード
- カードローン
- 銀行融資(借入)
- スマホ機種代の分割払い
- 賃貸物件の賃貸契約
※すでに契約しているクレジットカードも数か月以内に強制解約されて利用できなくなることがありますので、ご注意ください。
LINEポケットマネーの返済に遅れた場合、ブラックリスト登録のリスクが生じることを理解しておきましょう。
債権回収業者に債権譲渡
債権回収業者とは、未払いの債務を債権者の代わりに回収する、言わば“借金回収の専門業者”です。
LINEポケットマネーでは、長期間にわたって返済が滞っている債権を債権回収会社に譲渡することを明記しています。
延滞が発生した場合はLINEポケットマネーの利用を停止します。あらかじめご了承ください。なお、延滞が長期間継続した場合、– 保証付き契約でないお客さま債権を譲渡する場合があります。
要するに、LINE CREDIT株式会社は「回収不能となった借金の回収権利を債権回収業者に譲渡する」ということを意味します。
もし債権回収業者に債権譲渡が行われた場合、身に覚えのない債権回収業者があなたに対して支払い請求の督促状を送り、電話などによる取り立てが始まります。
実際、債権回収業者に債権譲渡が行われるのは、LINEポケットマネーの滞納期間が2ヵ月以上経過した頃です。
債権譲渡が行われた後、何が起こる?
LINEポケットマネーから委託を受けた債権回収業者から債権譲渡完了の通知と、内容証明郵便による一括請求の督促状が届きます。
この内容証明郵便での督促状には「○○日までにお支払いおください」という支払い期限が記載されています。さらに「お支払いいただけない場合は法的措置を取る」という旨も。
もし督促状の支払期日内に請求額の支払いを行わなかった場合、いよいよ裁判にになるリスクが高まります。
ここで注意すべきポイントは、裁判を起こすのはLINEポケットマネーではなく、債権回収会社であること。
債権回収会社は、借金回収の専門業者です。時効を期待して踏み倒すことはできません。なぜなら、時効は債権者によってリセット可能なので。
※訴訟になれば時効期限はリセットされます。
裁判/財産差押え
内容証明郵便による一括請求の督促状の支払期日が過ぎても、即座に裁判に至ることはありません。通常、LINEポケットマネーの返済が6ヵ月以上延滞した後(督促状が届いてから3ヶ月後)に裁判になります。
ただし、実際に裁判になる時期は債権者次第、つまり債権回収業者の裁量によります。
※具体的に、“いつ裁判になるか”はケースバイケースです。
そもそも裁判になる前に、至急ご返済いただくのが賢明です。
さて、もし弁護士事務所が裁判を起こした場合、裁判所から「支払催促状」または「訴状」が届きます。
「支払督促状」が届いた場合
すぐに請求額を支払う、もしくは2週間以内に異議申し立てを行う。
「訴状」が届いた場合
弁護士を介して回答書を提出する(裁判の準備をする)。
もし上記の対応を怠ると、裁判所命令による財産差押えなどの強制執行は避けられません。
※適切な対応をすることで余計なリスクを回避することができます。
財産がなくても財産差押えは強制執行される?
そもそも、財産と呼べる財産なんてない…と言う人も少なくありません。
「1人暮らしで貯金なし」
「車も不動産も持ってない」
「差し押さえられるものなんてない」
このような場合、財産差押えが強制執行されても、裁判所に差し押さえられるようなものはないかもしれませんね。
ただし、“財産がなければ見逃してもらえる”という訳にもいかなさそうです。
給料の差し押さえとは、毎月の給与のうち4分の1が債務の返済に充てられるまで引き続き強制的に差し押さえられることを意味します。
この時、裁判所から雇用先に向けて給与や賞与に対する「債権差し押さえ命令の決定書」が届くため、借金をして裁判沙汰になっていることが会社に知られてしまいます。
財産がないとは言え、財産差押えが強制執行されると、社会的な信用を失うことは避けられません。これが最もダメージが大きいデメリットとなる可能性もあります。
このような状況に陥らないためにも、滞納を甘く見てはいけません。もし現在LINEポケットマネーの返済を滞納しているのであれば、至急お支払いすることをおすすめします。
LINEポケットマネーの利用停止の原因は滞納だけじゃない?
LINEポケットマネーの返済期日が過ぎると、翌日から利用停止の措置が取られて新規利用制限がかかります。ただし、LINEポケットマネーが利用停止になる原因は返済遅れ/滞納だけではありません。
以下の事由においてもLINEポケットマネーが利用停止になる恐れがあるのでご注意ください。
- 利用限度額を全額借入申請した
- 利用限度額を増額申請した
- 途上与信で問題が発覚した
利用限度額を全額借入申請した
LINEポケットマネーの利用限度額は、LINEスコアの審査によって評価された金額が付与されています。ただし、全額申請には注意した方が良いでしょう。
初めての借入申請で一度に利用限度額を満額引き出そうとする行為は、“計画性がない”と判断され、信用評価を下げる可能性があります。
LINEポケットマネーの視点からは、貸し倒れのリスクを軽減するために、利用停止の措置を取ることは止むを得ないでしょう。
つまり、「ご利用は計画的に」ということ。初めてLINEポケットマネーを利用する際には、借入し過ぎないようお気を付けください。
利用限度額を増額申請した
LINEポケットマネーでは、メインページ下部にある「利用限度額の引き上げ申込みが可能です」というリンクから利用限度額の増額を申請することができます。

ただし、増額申請後の利用限度額が50万円を超える場合、以下の収入証明書の提出が必要です。
具体的には、源泉徴収票、給与明細などの収入証明書を提出することで、を100万円まで、5万円ずつ増額することができます(詳細は以下参照)。
増額審査に必要な収入証明書
- 源泉徴収票
- 給与明細
- 納税通知書
- 納税証明書
- 確定申告書
※上記の書類のうち、いずれか1つが必要です。
上記の書類を提出することで、利用限度額100万円までを5万円ずつ増額申請することが可能になります。
なお、増額申請後の利用限度額が50万円以下の場合は、収入証明書の提出は原則必要なく審査が行われます。
※審査によっては収入証明書の提出を求められることもあります。
ただし、LINEポケットマネーの増額申請には注意が必要です。
そして、LINEポケットマネーの増額申請履歴(審査落ちの履歴)は信用情報に記録が残ります。
審査落ちの履歴は、他社のクレジットカードやその他ローン審査に影響をおよぼすことがあるため、軽い気持ちで増額申請してみるのは避けた方が良いでしょう。
途上与信で問題が発覚した
途上与信とは、LINEポケットマネーを運営するLINE Credit株式会社が定期的に行う会員の信用情報の審査です。途上与信により、会員資格の有無、利用限度額の見直しが行われます。
もし、他社のクレジットカードでの返済トラブル(滞納や強制解約など)が発覚した場合、LINEポケットマネーは会員資格を取消、もしくは利用限度額の見直しを実施する可能性があるでしょう。
途上与信で利用停止の制限がかかる例
- クレジットカード/ローンの返済を滞納
- クレジットカードの強制解約
- クレジットカード/他社ローンが審査落ち
- クレジットカード/他社ローンの多重申込み
- 債権譲渡/代位弁済
- 債務整理(自己破産/個人再生/任意整理)
※上記の情報が信用情報に記録されていることが発覚した場合、LINEポケットマネーに利用停止の制限がかかります。
途上与信が行われた場合、突如、LINEポケットマネーに利用停止の制限がかかることがある、ということは覚えておきましょう。
LINEポケットマネーの返済が遅れてしまった時の支払い方法
LINEポケットマネーの支払期日が過ぎた後の支払い方法は、LINE Pay残高にチャージして未納額を清算します。
ただし、LINE Payの残高状況によって支払い方法が異なるので、以下を参考にしてみてください。
- LINE Pay残高が残っていれば再振替
- LINE Pay残高がない場合は銀行口座から自動チャージ&再振替
LINE Pay残高が残っていれば再振替
LINEポケットマネーは支払期日が過ぎても、翌日から再振替が行われます。そのため、LINE Pay残高が残っている場合は自動でお支払いが完了します。
上記の通り、LINEポケットマネーの返済日に残高不足で返済が遅れても、翌日にLINE Payで請求額をチャージすれば、1日分の遅延損害金が発生しますが、これで問題は解消されます。
LINE Pay残高がない場合は銀行口座から自動チャージ&再振替
LINE Pay残高がない/不足している場合は、請求額分をチャージする必要があります。
ただし、滞納状態のまま放置している場合でも、LINE Payアカウントに登録している銀行口座から自動的に未清算金額がLINE Payにチャージされ、再振替が行われます。
ただし、LINEポケットマネーからの借入残高(未清算額)が100円未満の場合、LINE Pay残高不足で再振替ができない状態でも、銀行口座からの自動チャージが行われません。
そのため、100年未満の滞納状態がずーっと続くことになります。
もし2ヵ月以上滞納が続けば、100円未満の滞納が原因でブラックリストに登録される可能性があるのでお気を付けください。
LINEポケットマネーについてよくある質問
質問① LINEポケットマネーは在籍確認がある?
LINEポケットマネーの借入希望額が50万円以下の場合、収入証明書の提出が必要ないため、在籍確認されることはありません。
一方、LINEポケットマネーの借入希望額が50万円をこえる場合、収入証明書の提出が必要になり、在籍確認が行われるケースがあります。
なお、増額申請後に借入希望額が50万円を超える場合も収入証明書の提出が必要になり、在籍確認が行われることがあります。
質問② LINEポケットマネーの利用停止はいつ復活する?
LINEポケットマネーの支払期限を過ぎた翌日から利用停止の制限がかかりますが、その後、未納額を支払うことで復活します。
また、以下の理由でLINEポケットマネーが利用停止となっている場合は、今後復活する可能性は極めて低いでしょう。
利用停止から復活できない例
- 利用限度額を全額借入申請した
- 利用限度額を増額申請した
- 途上与信で問題が発覚した
上記の理由により利用停止の制限がかかってということは、”信用スコア”が下がったことを意味しています。今後LINEポケットマネー利用枠の復活は難しいでしょう。
質問③ LINEポケットマネーは無職でも申込みできる?
LINEポケットマネーは、借入希望額50万円みまんであれば、収入証明書の提出がひつようないため、実質的に無職の方(学生や主婦を含む)でも申込可能です。
ただし、LINEポケットマネーの審査は厳しいため、申込みできても審査に通るとは限りません。
※定職に就いており安定収入がある人でも審査落ちするケースは珍しくありません。
なお、LINEポケットマネーの“審査に通るコツ”として、
- LINEが提供するサービスを利用している
- ライフスタイルの質問に適切に回答する
ことで、審査に有利になる傾向があるようです。
質問④ LINEポケットマネーで審査落ちする原因なに?
LINEポケットマネーの申込条件を満たしていなければ、100%審査落ちします。
申込の条件
LINEポケットマネーの申込は以下の条件を見たいしている必要があります。
- LINEポケットマネー加入時の年齢が満20歳から満65歳までの安定かつ継続した収入の見込める方、その他当社が認める方
- LINE PayのアカウントタイプがLINE Moneyの方
- 日本国内在住の方
上記の申込条件を見たいしているにも関わらず、LINEポケットマネーの審査に落ちた場合は別の原因が考えられます。
例えば、以下に当てはまっている可能性が高いでしょう。
LINEポケットマネー審査落ちの原因
- ブラックリストに登録されている
- 信用情報がスーパーホワイト
- 申込み時に虚偽の申請をしている
- 借入希望額が大きい
- 総量規制に引っかかっている
- LINEスコアが200点以下
つまり、LINEポケットマネーの審査はメガバング並みに厳しい、ということ。実際のところ、メッセージアプリのLINEのように気軽に利用できるサービスではありません。
質問⑤ 信用情報ブラックでもLINEポケットマネーは利用できる?
LINEポケットマネーの審査は、独自の「信用スコア」を算出し融資審査を行っているとはいえ、実際の審査はオリコが行っています。
さらにLINEポケットマネーを運営するLINE Credit株式会社は信用情報機関に加盟する貸金業者のため、審査時には信用情報が参照されています。
そのため、信用情報がブラック(過去に金融事故を起こしている/異動が記録されいる)場合、LINEポケットマネーを利用することはできないでしょう。
※申込みは可能ですが、審査に通ることはありません。
まとめ:LINEポケットマネーは返済に遅れるとブラックリスト登録や裁判の可能性あり
LINEポケットマネーの支払日は毎月16日もしくは26日のいずれかをご自身で設定可能です。
※返済日が土日・祝日の場合は翌営業日に繰り越しされます。
もし毎月の支払期日を過ぎてしまった場合、さまざまなリスクが発生します。ここで注意すべきポイントは、LINEポケットマネーの返済が遅れるリスクは利用停止や遅延損害金だけではないということ。
LINEポケットマネーの滞納リスク
- LINEポケットマネーの利用停止
- 遅延損害金が発生
- 信用情報に滞納履歴が記録
- ブラックリストに登録
- 債権回収業者に債権譲渡
- 裁判/財産差押え
これらのリスクを避けるためにも、返済日の確認や返済計画の遵守しましょう。
なお、LINEポケットマネーは1日の滞納でも翌日から利用停止の制限がかかります。一度でも利用制限がかかると、利用限度額が減額される可能性が高いでしょう。
LINEポケットマネーの利用限度額は、その人の信用度を表しています。
一度失った信用は簡単には取り戻すことができません。もし信用情報に滞納情報が記録されてしまった場合、他社のクレジットカードやローンなどの融資にも影響をおよぼす可能性があります。
繰り返しになりますが、滞納を甘く見ちゃダメです。